2008年7月6日日曜日

スイスワインコラム6

(6)ワインの色2

色の他に、ワインの澄み具合も評価にとって大切なポイントとなる。澄んだ色のしているワインは健全な状態を示している。もし、ワインに濁りがあった場合、まだ酵母を含んでいたり、異常発酵していたり、酸化していたりと、欠陥を持っている事が示されている。

ワインの色は時間が経つと、白の場合、金色から黄色、そして琥珀色へと変化していく。赤はルビー色からガーネット、そして琥珀色へと変化していく。ワインはどんな色であれ、やがて琥珀色に行き着く。その間に百年以上を要するのだが、これが千年以上経つと、この色素成分が沈殿してしまい、無色透明の液体になってしまう。赤ワインもやがて透明ワインになってしまうという訳だ。

ワインの色について、スイスの中でおもしろいのが、ティチーノだ。この州は赤ワイン用のメルローというぶどうで、ヴァン・ムスー、赤、白、ロゼのワインを造ってしまう。シャスラなどの白ワイン用のぶどうからは流石に赤ワインは出来ない。しかし、グリメンツで飲める氷河ワインは、熟成したものになると琥珀色をしている。この氷河ワインの原料ぶどうは白ワイン用のレゼというもので、酸味が豊富なワインとなる。この豊富な酸味によって長い熟成に耐えることが出来るのだろう。

ロゼでは、ヴァリス州のドール・ブランシュが明るいピンクで、やや紫がかる。ヌーシャテルが元祖のロゼ、ウイユ・ド・ペルドリはややオレンジがかったピンクで、サーモンピンクなどと表現される事が多い。その他、東スイス地区では、ピノ・ノワールを用いた、フェーデル・ヴァイス(羽根のような白)というワインを造っている。色は白からややピンクがかったものまである。現在、東スイス地区では、ピノ・ノワールからヴァン・ムスー、白、ロゼ、赤まで造っている。